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- その他(首・顔)の病気
耳鼻科では、耳、鼻、くち・ノドに関連する病気だけでなく、首や顔に関わるさまざまな病気も診察しています。ここでは、耳鼻科でよく見られる耳、鼻、喉以外のお悩みと、それに関連する病気についてご紹介します。気になる症状があれば、早めに専門医の診察を受けましょう。
頸部リンパ節腫脹(首の腫れ)

首にしこりや腫れを感じることがあります。リンパ節が腫れると痛みや圧迫感を感じることもあり、長引くと不安を感じることもあります。この症状が続く場合は、速やかに受診することが推奨されます。リンパが腫れて痛みがあったものの、感冒など原因になった病気が落ち着いてきたらリンパも少しずつ治ってきた、というのであれば通常の反応です。一方で、全然痛みが治らない・そもそも初めから痛みはない、というリンパの腫れは要注意です。
考えられる原因
①他に原因のある感染症
風邪やウイルス感染など、一般的な感染症が原因となることが多いです。これらはリンパ節が感染に反応して腫れるためです。
また、細菌感染が原因となることもありますが、その場合、腫れが大きくなり、痛みが強くなることがあります。一方、腫れが長引く、または広がっていく場合には、悪性リンパ腫や甲状腺がんなど、深刻な病気が隠れている可能性もありますので、専門医による診察が必要です。
②リンパ節自体の炎症
化膿性リンパ節炎や壊死性リンパ節炎は頸部膿瘍に至る例も多く、また単純に抗生物質の投与だけでは治らないケースがあります。時にステロイドを内服する必要がある場合もあります。
③リンパ節転移
最も嫌なパターンです。痛む時も痛みがない時もあります。
固形ガンのリンパ節転移である場合と、悪性リンパ腫の場合とあります。
当院ではエコー下の細胞診を行うことが可能です。その後然るべき医療機関にてリンパ節の摘出(生検;せいけん)が必要になる可能性が高いです。
④側頸嚢胞
生まれつきの嚢胞です。大きくなりすぎると整容面、感染の温床になりうることなどから摘出をお勧めすることがあります。また、非常に稀ですががん化することがあるという報告もあります。エタノールや抗生剤などの薬剤を注入する方法もありますが、基本的には手術をお勧めしています。
⑤リンパ管腫など
そのほかの良性腫瘍についても、整容面などで手術に至る例はあります。
顔面神経麻痺
顔の片側が突然動かなくなったり、表情が作りづらくなる症状が現れることがあります。これを顔面神経麻痺といいます。顔の歪みを感じることが多く、特に目や口の周りに影響を与えることがあり、笑顔を作るのが難しくなったり、まばたきがうまくできないこともあります。顔の片側にしびれや痛みが伴うこともあり、早期の診断と治療が必要です。
考えられる原因
①ベル麻痺
最も一般的で、これは顔面神経が炎症を起こし、片側の顔面の筋肉が麻痺する病気です。
ステロイドなどの点滴・内服治療などを行います。
②Hunt症候群
顔面神経に帯状疱疹ウイルスが感染するラムゼイ・ハント症候群も顔面神経麻痺を引き起こすことがあります。さらに、中耳炎や耳の感染症が進行することで、耳の近くの顔面神経に影響を及ぼし、麻痺を引き起こすこともあります。耳たぶに痛みを伴う湿疹が出て、さらに難聴に至る例もあります。
同様の治療を行いますが、改善しない場合は顔面神経減価術という手術をお勧めすることもあります。
③耳下腺がんなど
悪性腫瘍が顔面神経に浸潤すると麻痺が生じます。
顔面の痛み・しびれ

顔に痛みやしびれを感じることがある場合、その症状は突然現れることが多いです。痛みが強く、一部の顔のエリアで鋭い感覚が走る場合、三叉神経痛が疑われることがあります。しびれを感じることがある場合もあり、何かが顔に触れていなくても、しばしば違和感が生じます。このような痛みやしびれが続くと、日常生活に支障をきたすことがあるため、早めの診察を受けることが推奨されます。
考えられる原因
三叉神経痛が挙げられ、三叉神経痛は顔の一部に突然、鋭い痛みを感じる神経障害で、しばしば突発的に発症します。また、顔面帯状疱疹も顔面神経に炎症を起こし、痛みと発疹が現れる病気です。顎や顔の関節に関連した問題も原因になることがあり、顎関節症などが顔面の痛みを引き起こすことがあります。必要に応じてペインクリニック(主として麻酔科の先生が標榜される)へ紹介させていただくことがあります。
顔の腫れやしこり
顔や首にしこりを感じる場合、その大きさや硬さ、痛みの有無に注目することが大切です。しこりがある場合、それが何らかの炎症によるものか、または別の病気によるものかを見極めるために、診察を受けることが必要です。しこりは突然現れることもあれば、長期間にわたりゆっくりと大きくなることもあります。痛みがある場合や、腫れが広がる場合は早期に受診することが望ましいです。
考えられる原因
唾液腺の炎症があり、これが原因で腫れが生じることがあります。唾液腺が感染すると、腫れや痛みを伴います。また、膿瘍(膿がたまること)も顔に腫れを引き起こし、感染症により発生することが多いです。さらに、甲状腺疾患も首や顔にしこりを引き起こす原因となります。甲状腺が腫れると、見た目に変化が現れ、しこりが感じられることがあります。
顎の痛みや違和感
顎を動かすときに痛みや違和感を感じることがあります。これには顎の関節に問題がある場合が多く、食事の際や会話をするときに特に気になることがあります。顎を開けたり閉めたりする際に音が鳴ることがある場合もあります。この症状は長期的に続くと、食事や会話の際にストレスを感じることが増え、生活の質が低下する可能性があるため、早期に診察を受けることをおすすめします。
考えられる原因
顎関節症(TMJ障害)が一般的です。顎関節に異常が生じると、口を開ける際に痛みや違和感が生じることがあります。また、顎関節の炎症も顎の動きに痛みを伴い、日常的な不快感を引き起こします。さらに、歯の問題が原因で顎に痛みを感じることもあります。歯が不適切に配置されていたり、噛み合わせが悪い場合にも顎の違和感が生じます。
口臭や舌の異常
口臭や舌の異常感を感じることは、非常に不快であると同時に、周囲にも影響を与えるため、早期に対応することが重要です。口内が乾燥し、口臭が強くなることがあるほか、舌に白い膜や痛みを感じることもあります。舌の表面に異常が現れる場合、食事や水分摂取に問題がないか、口腔内の衛生状態を確認することが必要です。口臭は他の病気が原因であることもあるため、放置せずに受診しましょう。
考えられる原因
ドライマウス(口腔乾燥症)が一般的で、唾液の分泌が減少すると、口腔内が乾燥し、口臭が強くなることがあります。また、舌の炎症(舌炎)や白い膜が現れることもあります。さらに、消化不良や胃酸逆流が原因で口臭や舌の異常が引き起こされることもあります。胃酸が逆流して口腔内に広がり、口臭を引き起こすことがあります。
舌の異変
Hunter舌炎と呼ばれる、舌が真っ赤になり痛みも伴う場合、ビタミンB12を調べてみる必要があります。
また、女性で貧血がある場合プランマービンソン症候群という疾患かもしれず、その時舌は萎縮して赤くなったりします。鉄剤を補う必要があるのです。
このように、体内に栄養が欠乏していることが舌に現れることはとても多いです。
そして非常に稀ですが、プランマービンソンから下咽頭癌につながるケースもありますので、舌の異常は放置すべきではないと考えています。
めまいや頭痛

耳鼻科で診察されることの多いめまいや頭痛は、しばしば耳や鼻の問題に起因しています。例えば、内耳の異常がめまいを引き起こすことがあり、顔面や頭の周辺に圧迫感を感じることがあります。めまいが続く場合や、頭痛が強くなった場合は、耳鼻科での診察が推奨されます。特に、目の前がぐるぐる回るようなめまいが起こったり、頭を動かすたびに痛みが増す場合は、早急な対応が必要です。
考えられる原因
内耳の異常が挙げられ、良性発作性頭位めまい症など、内耳の問題がめまいを引き起こすことがあります。副鼻腔炎(蓄膿症)も、鼻の奥に膿がたまることにより、頭痛や顔面の圧迫感を引き起こす原因となります。また、耳の感染症(中耳炎や内耳炎)もめまいや頭痛を引き起こすことがあります。
もしかしたら・・・のケース
万が一、小脳梗塞などの、手足の麻痺が出にくいタイプの脳梗塞だった場合、脳神経外科あるいは脳神経内科の適切な治療を受けていただく必要があります。
まとめ

耳鼻科では耳、鼻、喉だけでなく、首や顔に関するさまざまな病気や症状にも対応しています。これらの症状に心当たりがある場合は、早めに専門医の診察を受け、適切な治療を受けることが大切です。
まずはお気軽に、山口市の「おおうち耳鼻咽喉科」にご相談ください。